ピックアップサロネーゼ<特集> 第3回:教室運営編

「Family」

高橋 善郎

【神奈川県川崎市】

 

今月の「Fresher's」のコーナーでご紹介するのは、「Family」を主宰する高橋善郎さん。
ご実家が和食料理屋で、幼少期からお店を手伝っていた高橋さんは、自分の伝えたい料理を自分らしく伝えていきたいと思ったことがきっかけでお教室を開設されたそうです。
お教室では和食の基本である、だしの取り方、だしを使い素材の味を活かした料理、そして魚のさばき方等を中心にレクチャーされています。
またきき酒師等の資格を保有されているため、お料理に合わせた日本酒のきき酒も楽しむことができ、試食の時間は時間オーバーするほど話が盛り上がることも!
ご苦労話からこれからの夢まで、Fresher'sならではのお話を交えながら4週にわたってご紹介いたします。

高橋 善郎さん写真8

高橋 善郎さん写真9

8.教室を開いたきっかけをおしえてください

自分の伝えたい料理(味)を、自分らしく伝えていきたいと思ったことがきっかけです。

そもそも、私の実家は和食料理屋を30年近く営んでおり、幼少期からお店を手伝っていました。
高校生以降は、実家のお店以外でも飲食店のアルバイトを複数経験、大学卒業後は、食品メーカー、IT企業と経歴を積んだ結果、父親を師に本格的に食の世界に。
ですので「伝えたい料理(味)」というのは父親の料理(味)がベースです。

本格的に食の世界に入り、料理教室を開くまではお店で働く毎日で、自分の伝えたい料理は表現して伝えられていたかもしれませんが、そこに自分らしさがあったかというと完全にそうではありません。

また、料理を伝えられたとしてもお店にお越しいただいた方にしか伝えられないという現状が歯がゆいと思いはじめたことがきっかけで、「自分の伝えたい料理(味)」×「自分らしく伝えられる手段」=「料理教室」という図式が成り立ち、料理教室を開きたいと思うようになりました。
基本的に飲食店で働いていると視野が狭くなる傾向になります。
それを防ぐためにも外に発進する、料理教室を開いて「教える立場」になることで自分自身も勉強する、そんなきっかけにしたいという想いもあり。

ちゃんと教えられるか、赤字にならないか等、懸念点はたくさんありましたが、「まずはやってみよう」という、漠然としていた想いが当時は先攻していたことを今でもよく覚えています。

9.教室を開いて良かったと思うことはなんでしょう?

すごくシンプルですが、料理を楽しんでいただけているのを見る度に、教室を開いて良かったと心底思います。
料理教室の前日はお店で働いていることが多く、ほぼ徹夜で準備するのですが、楽しんでいただけているのを見るとその疲れが一気になくなります。

また、もうひとつ、教室を開いて良かったと感じることは、生徒さんからたくさん勉強させていただけるということです。

先生と生徒という構図が解釈的には存在しますが、教える立場である私自身が一番、教えられています。
もっとわかりやすく教えるにはどうしたらいいか、もっと楽しんでいただくにはどうしたらいいか、理論や知識ではなく生徒さんの言動から気づかされる部分がほとんどなので、料理教室を開いて良かったと思うことのひとつです。

10.教室運営の工夫があれば教えてください

工夫という工夫ではないかもしれませんが・・・
考え方として、生徒さんの満足度を上げるためにはどうしたらいいかを常に考えることです。
教室を運営するために、お金の勘定はとても大切です。
ですが、それより大切なことは、生徒さんに楽しんでいただく、満足していただくにはどうしたらいいかを追求することです。
その満足度が結果的に、金銭に形を変えて、戻ってくるのではないかと個人的には考えていますので、多少時間やお金、労力がかかっても、旬の食材をメニューに取り入れたり、計量などの面倒な下準備をしておいたり、お土産を用意したり、御礼の連絡を必ずすることなどは欠かしません。

場所代が○円で1人あたりにかかる原価が○円だとして、レッスン代を○円にしたら、約○円の利益がでて・・・
と、教室を運営する以上、試算することは必要ですが、料理教室でなにを大切にしてどう表現したいのか、その優先順位を明確にしておかなければ、もやもやと迷走している気持ちが生徒さんにも伝わり、中途半端な料理教室になってしまう危険性があります。

すごく偉そうで恐縮ですが、「この価格(レッスン代)でここまでやるのか!」そう思ってもらえるくらい、妥協しない料理教室で在ることが個人的には大切かと思います。
Fresher'sに質問

教室を開く前にしておいてよかったこと、しておきたかったことは?

しておいてよかったことは、レシピの型を自分なりに作っていたことです。

当時、私は「My レシピ365」とうい自身のブログ(アメブロ)で、1日1レシピ、必ず更新するという挑戦を行っていたこともあり、続けることで、見やすいレシピの書き方が徐々に表現ができるようになりました。
レシピのストックを作っておく、レシピの型を自分の中で形成しておくと、いざとなったときに行動しやすいです。

しておきたかったことは、正直なところ、特にありません。
逆に、準備をしすぎなかったことがよかったことだと思います。
というのも、料理教室を開くにあたって、失敗や金銭面でのリスクヘッジを考え、どうしても時間をかけて準備をしすぎる方が多いと感じますが、未熟ながらもまずは行動する、やってみることの方が大切で、そこから軌道修正していけばいいと思います。

11.レッスンでもよく使う愛用品を教えてください(道具や食材など)

  • 高橋 善郎さん写真10

    100均で購入した包丁
    教室ではいつもこれを使っています。

    「高級な調理器具を使ったからできた」と思われたくないので、あえて100均で購入した包丁で、きれいにさばけるということを実感していただきたいです。
    (前日には気持ちを込めて研いでいます!)

  • 高橋 善郎さん写真11

    日本酒
    和食との相性が絶対的に良い「日本酒」たち。
    毎回、タイプの異なる4種類を用意し、味の違い(きき酒)を楽しんでいただいています。

    一方的なきき酒ではなく、生徒さんの知りたい部分や普段、気になるけど聞きづらい基本的な部分などの質問に応えることが多いです。
    もちろん、ビールやソフトドリンクも用意していますので、そのあたりはご自由に*

  • 高橋 善郎さん写真12

    卵、鯵(あじ)や鰯(いわし)
    定番になりつつある、だし巻き卵。
    実施しない回もありますが、ほとんどは実施します。
    だしのおいしさが感じられ、和食の基本的な部分なので可能な限りレッスンに組み込むようにしています。

    また、「Family」にとって、魚をさばく作業は必須なのですが、多くは鯵や鰯を仕様します。
    通常のスーパーでも安価に購入できますし、なにより、調理法も幅広くあって、日本人の舌にあう魚です。 たくさんさばいて料理を作る工程を楽しんでいただきたいです。