2010/07/20
まとめの座談会(4)サロンを開くってすごく楽しいことですよ!
「Ristorante我が家」主宰・是友麻希さん
ご参加いただいたのは、おなじみ「Ristorante我が家」主宰の是友麻希さん、建築士チームの渡部有美子さん、岩崎明希子さん、岡田理佳さん、百合本雅子さん、小林美紀子さん、そしてクリナップのキッチンアドバイザー大山百合さんです。

●リフォームポイントは最初のひらめきにある
――最後に皆さんから、これからサロンをはじめる方や、キッチンのリフォームを検討されている方に向け、一言ずついただけますでしょうか。 岡田 リフォームをされる場合は、ご自分の中での優先順位を決めておかれるといいと思います。それから、「リフォームをしよう」と思われたとき、一番最初にひらめいたことを書きとめておいてください。
相談が進むうちに、あれもいいこれもいい、となってしまうことが多いですが、実は一番最初に「ここだけは!」と感じた問題意識が、その方にとって一番大切なポイントというケースが多いので。
――プロなら自分の悩みの原因をみつけてくれると思いがちですが、問題のありかは実は自分が一番知っているということですね。
●とにかく一歩を踏み出してほしい
岩崎 リフォームの場合は自分がどうしたいかを相手に伝えることが大事です。そのために最初にすべき作業は、自分で自分を知ることでしょう。何が問題で、それをどうしたいかを自問して、それを相談相手に伝えるために形にする。メモをつくったり、写真を撮ったり、雑誌の切り抜きを集めたりもいいでしょう。
自分では何が問題なのかわからないこともあると思います。その場合も、何か1歩、踏み出してほしいですね。住宅雑誌を読むとか、ネット上でリフォームの話題を調べるとか、なんでもいいので、とにかく行動をはじめてほしいです。
動いてみるとだんだん、自分がこうしたいというイメージが見えてくるはずです。
●なんでも相談できる建築士を目指します!
渡部 建築士としては、行動を起こされたお客さまの声を丁寧に、根気よく拾うことが大切だと感じました。お客さまは、「こんなこと言ったら失礼かな」とか「今さら言えない」と、黙っていらっしゃることも多いと思うんです。でも、その本音の部分を教えていただかないままリフォームしても、満足していただけませんからね。
キッチンリフォームのご相談が気軽にできるようなサイトを立ち上げたり、お客さまが話しやすい受け皿づくりができたらいいなと考えています。
――客の立場からすると、プロの方に「どんなことでも言ってください」と一言いただけるだけでも安心できると思います。
渡部 なんでも言える雰囲気づくりも大事なんですね。わかりました!
●建築のプロを窓口に!
百合本 今日の話で、リフォームもサロンづくりも、大切なのは自分を知ることだとわかって、なんだか深い結論になったなと、ちょっとびっくり(笑)。お客さまが本当に求めていることを引き出せるように、じっくりお話を聞ける場をご用意することが、女性建築士としての私たちの仕事になるんだと発見しました。たぶん、工務店やリフォーム会社では、そこまでじっくり話を聞かないと思いますからね。
1回目の座談会で是友さんが、「サロンづくりで大事なのは、まず自分が居心地のいい空間をつくること」とおっしゃっていたのが印象的でした。
リフォームをしていただくに越したことはありませんが(笑)、必ずしもリフォームをしなくても、自分に合うキッチンは実現できるという考え方も含めて、時間をかけてご説明して、プランをご提案していきたいです。
――建築のプロとリフォームのご相談ができて、たとえば1時間5000円くらいならば、私はお得だと思います。物を買うのにお金をかけても、ソフト(知識やノウハウ)にはお金をかけたくないという方も多いですが、プロにじっくり話を聞いてもらって、その結果、自分に合うキッチンが実現できるなら、無駄ではありませんから。
百合本 建築士を、現場の管理など、工事全般の窓口役に使っていただいてもいいんです。一般の方は職人さんと交渉事をするのは難しいですが、私たちはそれが仕事なので。
●お客さまの抱える問題の本質に近づきたい
小林 私たちは、たとえば「収納をどうにかしたい」とご相談を受けるとすぐ、収納をどう増やそう?と考えてしまって、「じゃあリフォームしましょう」となることが多かったのですが、必ずしも収納を増やすことだけが解決策じゃないということが、この座談会を通してわかりました。是友さんが「収納が足りないなら、物を減らせばいい」とおっしゃったのが、私にはカルチャーショックで(笑)。
是友 (笑)。
小林 収納をどうにかしなくても、問題は解決しちゃうんですね(笑)。
できることから改善して、「やはりリフォームが必要」となってはじめて、図面を描いたり、メーカーや業者選びをはじめるという流れもあるんだ、というのが発見でした。
頭を柔軟にして、本当の問題はどこにあるのか?を、お客さまのお話を聞きながら一緒に探っていくような仕事のやり方を、今後はしていきたいと思います。
建築士はお客さまと現場の橋渡し役なので、メーカーのショールームに足を運んだり、商品知識や問題解決のノウハウをもっと積み重ねていきたいですね。
女性建築士のメリットは、自分でキッチンを使う目線で商品をチェックできるというところにもありますので、お客さまになるべく近いところから、居心地のいい、使い勝手のいいキッチンづくりのお手伝いができたらと思います。
●変化するニーズに対応できるキッチンに
大山 リフォームをされる際は、優先順位を決めて、一番気になるところから改善されるのがいいと思います。使いやすいキッチンと言っても、使いやすさは人それぞれですので、ご自分のライフスタイルに合ったキッチンはどんなものかをじっくりご検討できるといいですね。
キッチンのニーズはライフステージによっても変化します。今はこれが使いやすくても、5年後10年後にどうなるかはわかりませんから、ある程度フレキシブルに変更できるキッチンだとより理想的です。
もちろん、「今」が最優先で、5年後のことはその時考えるというのでもいいと思います。
ご自分がどう暮らしていきたいのか、そのプランどおりにはならないかもしれませんが、ある程度考えて、キッチンもそのプランに合うように選んでいただけたらなと思います。
ぜひショールームに何度か足を運んでいただいて、いろいろな商品を見ていただいて、実際に触れていただいて、吟味していただきたいです。
●サロンづくりもリフォームも楽しんで!
――では最後に、相談員の皆さんそれぞれの心に「是友語録」を刻むほどの影響を与えた是友さん、ひと言お願いします!是友 お恥ずかしいかぎりです!(笑)
サロンをこれからはじめられたい方に一番お伝えしたいのは、「サロンを開くことはすごく楽しい!」ということです。
私はとても飽きっぽい人間なんですが、その私がもう5年も続けられているくらい、とにかくすごく楽しいです。
お料理研究家の仕事をいやいややっている方ってほとんどいないはずです。料理が好きで、料理がしたくて、料理を教えたくて教室をやっていて、それを生徒さんが喜んでくださって、さらに生徒さんが集まるという、こんな楽しいことはありません。
ただ、最初は楽しくても、だんだん「こうしなきゃいけない」「やらなきゃいけない」という足かせが増えて、それがストレスになって…という話も耳にします。でも、それではサロンをやっている意味がありません。
サロンをはじめるときも同じ。「サロンを楽しむ」ということが一番大切で、開業のための準備や、レッスンスタート後に問題が起こっても、それを「苦痛」に思わないようにしていただきたいんです。
キッチンの使い勝手をどう改善するか? 家族の反対をどうクリアするか? 開業前後にはいろいろな悩みが出てくると思いますが、「自分が楽しめているかどうか?」を基準にジャッジしていくことが大切です。その結果、生徒さんも喜んでくれたら、それが一番いいですよね?
たとえば、教室をやるにはコンロの手元が見づらいキッチンだとしても、それがご自分の日常の暮らしでは使いやすいのならば、無理にリフォームする必要はないと思います。
生徒さんのことを考えるのも大切ですが、まずは自分の楽しさ、居心地の良さを優先しましょう。先生が自分の暮らしを楽しんでいれば、生徒さんも自ずと楽しんでくれるはず。
自分の楽しさを大事にするスタンスが、サロンを運営するうえで一番重要だと私は思っています。
サロンを続けていくと、悩みもいろいろ出てくるものです。でもそのときも、自分が楽しいからサロンをやっているということを、忘れないでいただきたいな、と願っています。
読者のみなさん、サロンは楽しいです! 皆さんもサロネーゼを楽しんでください!
――さすが! とてもいいアドバイスでしめていただきました。皆さん、ありがとうございました!
一同 ありがとうございました!

(おわり)
座談会進行=深澤真紀(タクト・プランニング)
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング)
写真=窪田みゆき(Dreamia Club)
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*ご相談メールに相談の概要や、図面・写真などを添付していただくと、より具体的なアドバイスがいただけます。

是友麻希
これとも まき
「和食料理教室 Ristorante 我が家」主宰
聖心女子大学出身。
国内外からの客人の多い家庭で育ち、幼少より料理に慣れ親しむ。
大学卒業後、「銀座すしもと」にて和食と魚料理の基礎を学ぶ。
2005年に東京・自由が丘の自宅にて家族をもてなすための極上家庭料理教室「Ristorante 我が家」を主宰。2009年3月に教室を中目黒に移し、「和食料理教室 Ristorante 我が家」としてリニューアル。
レストランやカフェのアドバイザーも務めるなど幅広く活動するとともに、家庭で楽しみながら作れるお洒落でおいしいお酒のおつまみ・魚料理を研究。
「焼酎アドバイザー」「野菜ソムリエ」「文部省認定 健康・食育アドバイザー」認定。
ブログ

渡部有美子
わたなべ ゆみこ
ワタナベ一級建築士事務所代表
大学では経済学を専攻、卒業後は住宅建材販売会社に入社。ユーザー直販リフォーム工事部門の開設に携わり、チーフコーディネーターとして在籍する。
二児を出産後、戸建住宅(木造)系及び分譲マンション(RC造)系の設計事務所等で経験を積みながら建築士の資格を取得し、平成2年に建築設計事務所を開設する。
現在は、大型分譲マンションや介護施設の実施設計の経験を生かして、新築戸建住宅の設計やリフォーム工事のコーディネイト等、幅広く手がけている。
一級建築士、宅地建物取引主任者

岩崎明希子
いわさき あきこ
株式会社アトリエ・アルバ代表
1996年に岩崎設計事務所開業、その後 2008年に株式会社アトリエ・アルバ設立。主に住宅設計を手掛ける。風水を学び、「温故知新」を設計理念に、女性の視点で間取りプランからインテリア、照明、外構計画までトータルにコーディネート。
ご要望に合わせた収納の造作、施主支給等、お客様主役の楽しく豊かな家づくり(デザイナーズハウス)を目指している。
デザイン全般を手掛け、Adorno・Alba~アドルノ・アルバ~も経営。
株式会社アトリエ・アルバ 一級建築士事務所
Adorno・Alba ~アドルノ・アルバ~
一級建築士、インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーター

岡田理佳
おかだ りか
A.O.R一級建築士事務所
茨城大学出身。
建設会社、不動産会社を経て2002年 A.O.R一級建築士事務所設立。
戸建、店舗、事務所建築に携わる。
一級建築士、宅地建物取引主任者、福祉住環境コーディネーター

百合本雅子
ゆりもと まさこ
アステル建築舎 一級建築士事務所 管理建築士
広島工業大学 工学部建築学科卒業。
建築士の父の影響で、幼いころから建築デザインに触れて育つ。
建築事務所や住宅系建設会社に勤務し、主に住宅の設計に携わる。2002年建築事務所を開設。
2004年から、2児の出産を機に育児に専念。
2009年、事務所再開の後、設計から施工まで請け負う建築事務所として「アステル建築舎 一級建築士事務所」を開設。
一級建築士、福祉住環境コーディネーター
アステル建築舎 一級建築士事務所

小林美紀子
こばやし みきこ
MIKI設計企画代表
不動産建築会社での新築打合せ経験により建築に興味を持ち、独学にて二級建築士資格取得。
「お客様の希望を出来る限り現場に伝えること」を心がけながら経験を重ね、この度建築士事務所開設。たたき上げの建築士目指し、日々勉強中。
二級建築士、アロマテラピー検定1級 ((社)日本アロマ環境協会)

大山百合
おおやま ゆり
クリナップ㈱キッチンアドバイザー
ハウスメーカーのカスタマーリフォーム部門のアシスタントコーディネーターを経てクリナップ(株)へ入社。
新宿ショールームにて、リフォームをご検討中のお客様のご自宅へ伺い、お客様の使い勝手等に合わせたキッチンのご提案をする「ご自宅訪問サービス」を担当。
インテリアコーディネーター キッチンスペシャリスト
カラーコーディネーター「商品色彩」1級






